正面削りにおける段差抑制の提案 ~設備・工具の小型化に向けて~

≪北関東班実験内容≫

 設備・工具の小型化を行う上で課題となる、複数パス正面削りにおける加工面段差について、曲線ツールパスの有効性について検討した。曲線ツールパスは、トロコイド、インボリュート、ターンミルの3種類を確認した。表1に実験条件を示す。なお、ターンミルの送り速度は、工作物最外径を基準とし、工作物回転数を一定とした。加工面の評価は、機上でダイヤルゲージを用いて段差を評価した。
 

                 表1 実験条件

項 目
実験条件
設備
設備名称
オークマ(株) MULTUS U3000
主軸テーパ

HSK-A63

工作物
工作部材種
PC250
寸法
100×100(加工面)
ツーリング
カッタ
大昭和精機(株) FM22-PLS636-35
工具径
Φ 63mm
刃数
6枚

インサート

cBN
加工条件
工具周速 Vc
1,660m/min
工具回転数 n
7,548mm/min
送り速度 fz
0.15mm/t
工具軸方向切込み量 ap
0.5mm
工具半径方向切込み量 ae
18.9mm
切削油
無し(ドライ)

≪実験結果≫

 いずれの曲線ツールパスも直線パスに比べてサイクルタイムが長くなる課題があるもの、段差は 1 μ m 未満であり、曲線ツールパスによる段差抑制の有効性を確認した。


インボリュート

 

ターンミル

 

トロコイド

                         表 2 実験結果


低剛性部品の正面削りにおけるツールパスの影響調査

≪関西班実験内容≫

  低剛性アルミ部品の高能率加工において課題となる加工面の平面度に関して、同時切削刃数を変化させた時の工作物変位の様子を高速度カメラにて撮影した。あわせて渦電流センサを用いて工作物変位、振幅測定を実施した。
 

                 表1 実験条件

項 目
実験条件
設備
設備型式
ヤマザキマザック(株)NEXUS 530C-Ⅱ HS
主軸テーパ

BT40

工作物
材質
ADC12
 
加工面寸法(w×L)
30[mm]×45[mm]
リブ厚み(t)×オーバーハング量(I)
6[mm]×35[mm]
ツーリング
カッタ
住友電工ハードメタル(株)HEF12100R-25.4
工具径

Φ 100

刃数
6,12枚

インサート材種

PCD
加工条件
工具周速 Vc
3142[m/min]
工具回転数n

10,000[mm/min ⁻¹]

送り量 fz
0.2[mm/tooth]
切込み量 ap
1[mm]
工具中心×工作物中心オフセット
0[mm]
エンゲージ角
17°
切削油
無し(ドライ)

                 図1 工作物形状

              

≪実験結果≫

  同時切削刃数の増加に伴い、切削力が増加し工作物変位量も増加すると予測したが、高速度カメラの映像、渦電流センサによる変位量共に、同時切削刃数が多い方が、工作物変位が小さいことが確認できた。

  同時切削刃数が 0 の瞬間を無くすことで、工作物の自由振動を抑制する効果が得られたものと考察する。


6枚刃

 

12枚刃

                   表 2   同時切削刃数と工作物変位・振幅

刃数
6枚
12枚
同時切削刃数
0~1枚
1~2枚

工作物変位量 [mm]

0.04
0.05

工作物振幅 [mm]

0.89

0.28