『高硬度材小径深穴加工の切削化への取り組み』 

≪実験方法≫

 

  加工は図1のようにツールホルダで工作物を把持し回転させ、ドリルを固定した状態でおこなった。センタ穴の形状は表1に示す5種類の状態で加工をおこない、ドリル食付き時の状況を高速度カメラで撮影するとともに表2に示す項目について評価した。工作物による影響も考慮し、4種類の材質でそれぞれの加工をおこなった。

                      表1 センタ穴形状

タイプ

A

B

C

D

E

形状

なし

90°センタ 

90°センタ

150°センタ

ガイド穴

切削
開始点

工具先端

切れ刃中央

肩部

工具先端

工具先端

無題

 

                      表2 評価項目

評価項目

 評価方法

加工時の映像

 ドリルの挙動、切りくずの出方を高速度カメラによって撮影

動力

 工具保持台の動力計で食付き時の工具への負荷を測定

加工穴径

 穴径の縮小・拡大を顕微鏡による画像測定およびピンゲージ を使用して測定

真円度

 真円度測定器により測定

穴位置のズレ量

 工作物中心と加工穴中心のズレを顕微鏡による画像測定

 工具を固定し、工作物を回転させて加工をおこなう理由は、工具を固定することで工具の同じ面(すくい面)を撮影でき、工具食付き時の挙動および切りくず生成の状態の可視化が容易になるためである。

加工については表3、4に切削条件および使用機器を示す。

                     表3 切削条件

使用工具

 φ3ハイスドリル (図1)

工具突き出し量

 50mm

加工深さ

 3mm

切削油剤

 なし(ドライ)

工作物
(φ10丸棒)

回転速度
[min-1]

切削速度
[m/min]

送り量
[mm/rev]

炭素鋼(S45C)

2,100

20

0.1

アルミ合金(A5052)

5,500

52

0.13

プリハードン鋼(NAK55)

1,800

17

0.05

チタン合金(Ti-6Al-4V)

1,500

14

0.07

                       図1 ドリル形状

 

                   表4 使用機器および工具

工作機械

ヤマザキマザック㈱

 立形マシニングセンタ・NEXUS530CⅡHS

工具

三菱マテリアル㈱

 φ3ハイスドリル・GWSSD0300

オーエスジー㈱

 センタドリル90°・TIN-NC-LDS

住友電工ハードメタル㈱

 センタドリル150°・MDW0300PHT

ホルダ

大昭和精機㈱

 コレットホルダ・BBT40-MEGA16N-135(工作物)

 コレットホルダ・SL20-NBS13-80(工具)

                   表5 測定に用いた機器を示す。

機器

メーカ

品名・型式

高速度カメラ

㈱フォトロン

FASTCAM-MAX120K

顕微鏡

㈱キーエンス

VW-9000

動力計

日本キスラー㈱

9272(3分力+トルク)

真円度測定器

㈱ミツトヨ

ROUND TEST

 

S45Cドリル加工 タイプC 実験映像(ストリーミングYOUTUBE.COM)
著作権者:切技研事務局 <切削音はありません>
【タイプA(センタ穴なし)】
【タイプB(90°センタ 切れ刃中央から接触)】
【タイプC(90°センタ 肩部から接触)】
【タイプD(150°センタ 切れ刃中央から接触)】
【タイプE(ガイド穴あり)】